ただ、雨が気になるので、時間をかけずに歩ける山を選びました。
歩いた日 2016年6月18日
今回の山、Kranzhorn(クランツホルン)の頂上には、バイエルン(ドイツ)とチロル(オーストリア)の国境線が走ってます。
スタートの駐車場と、今回のコースのほとんどはチロル内です。
この日は駐車場から山へは直接に行かずに、最初、カラフトアツモリソウ(独:Frauenschuh)の咲く方向へと歩いたので、国境線をまたぎながらの山歩きとなりました。

緑の線が国境線です。
今回は車で現地へ。アウトバーンをもうすぐ下りるという時に、左側に今回の山、Kranzhornが見えてきます。

真ん中はZahmer Kaiser、その右側の奥に連なる山々はWilder Kaiserです。
午後からの雨の予報のせいか駐車場はまだガラガラ状態。 Parkplatz Erlerberg(900m)

ここから山頂へ直接行くと全部で2時間半の超お気軽コースとなってしまうので、それで最初に、アツモリソウが咲く場所へ歩くことにしました^^;
さて、山頂方向へとは反対に進みます。ずっと林道が続きます。2年前もここを歩きました。

ヒメフウロ Ruprechtskraut (Geranium robertianum) フウロソウ科

ヤマヤグルマギク Berg-Flockenblume (Centaurea montana) キク科

シラタマソウ Taubenkropf-Leimkraut (Silene vulgaris) ナデシコ科

マツバトウダイ Zypressen-Wolfsmilch (Euphorbia cyparissias) トウダイグサ科

ラウンドヘッデッドランピオン Kugelige Teufelskralle (Phyteuma orbiculare) キキョウ科

林道と川が平行してるので、川の流れの音がずっと気持ちよかったです。

アルム(牧草地)を通過して行きます。

2頭の牛、全くどきませんでした^^;
マウンテンバイカーは通っても、歩いてる人はほとんどいない道なので、牛にジロジロ見られます。


傾斜が緩やかな道で、このまま走ればドイツの山に続く道です。

ウォーター・アヴィンズ Bach-Nelkenwurz (Geum rivale) バラ科

ヒース・スポッテッド・オーキッド Gefleckte Knabenkraut (Dactylorhiza maculata) ラン科

そして駐車場からひたすら歩いてきて、2年ぶりにカラフトアツモリソウに出合うことができました!
カラフトアツモリソウ Gelber Frauenschuh(Cypripedium calceolus) ラン科

日本では絶滅危惧種に指定されてるようですが、こちらでも保護種になってます。

2年前に比べると時期的に咲き終わりのものも目立ちましたが、

まだこうやってきれいに咲いてるのも多かったです。

私の手持ちの本には、開花まで最低16年かかり、摘んで持ち帰って植えなおしても死んでしまう花とありました。

どうぞ誰にも摘まれることなく、今後もこの場できれいな姿を見せてくれますように。

サカネランの仲間 Vogel-Nestwurz (Neottia nidus-avis) ラン科

お花をずっと見ていたいけど、お天気も気になるので先へ進みます。

別のアルムを通過です。

仲良く塩を舐めてました。

左奥に山小屋が見えてきました。

連日の雨のせいで道がぐちゃぐちゃ・・・。ここもマウンテンバイカーさんが多く通る道ですが、かなり苦労されてました^^;

食事休憩、宿泊ができる山小屋ですが、寄らずにそのまま通過です。

Schwarzrieshütte(970m)
マーシュシスル Sumpf-Kratzdistel (Cirsium palustre) キク科

テガタチドリ Mücken-Händelwurz (Gymnadenia conopsea) ラン科

キバナムギナデシコ Wiesen-Bocksbart (Tragopogon pratensis) キク科

キドニー・ベッチ Echter Wundklee(Anthyllis vulneraria) マメ科

キアオジ Goldammer (Emberiza citrinella) ホオジロ科

そして、この門のところが国境になります。門の向こう側はバイエルン(ドイツ)になります。右下に国境石が見えてます。

私がいるのはまだチロル(オーストリア)側。石に、ドイツ語のオーストリア(独:Österreich)の頭文字が刻まれてます。

石の反対側にはドイツ語でのドイツ(独:Deutschland)の頭文字が見えてます。

バイエルン(ドイツ)に入りました。マウンテンバイカーさんがどんどんやってきますが、ここは皆さんわりとゆっくりめに走られてました。

セイヨウオダマキ Gewöhnliche Akelei (Aquilegia vulgaris) キンポウゲ科

トウカセン Ochsenauge (Buphthalmum salicifolium) キク科

ブロードリーフタイム Breitblättrige Thymian (Thymus pulegioides) シソ科

フタマタタンポポ Gold-Pippau (Crepis aurea) キク科

ドイツ語名を直訳すると”アルプスアザミ” Alpen-Distel (Carduus defloratus) キク科

辺り一面が黄色に見えてましたが、このお花が大半を占めてたと思います。
オクエゾガラガラ属のお花 Zottige Klappertopf (Rhinanthus alectorolophus) ハマウツボ科

アルムを通過。 Käs-Alm

牛がまたジロジロと・・・^^; 2年前は撮影のために(?)集合してくれました(笑)。

ユキノシタ科のお花 Rundblättrige Steinbrech (Saxifraga rotundifolia) ユキノシタ科

クルマバソウ Waldmeister (Galium odoratum) アカネ科

林道をひたすら歩いて・・・、

また登山道に入ります。


イエロー・ピンパーネル Hain-Gilbweiderich (Lysimachia nemorum) サクラソウ科

ちょうど有刺鉄線の部分が国境で、国境石が時々見えます。Bは、私が歩いてる方のバイエルン(Bayern)の頭文字。有刺鉄線の向こうはチロル領のアルムになります。


また林道になって、

そしてまた登山道へ。

ここから国境を越えてチロル側に入ります。ここの門は閉まったままだったので上をまたぎました。奥に見えてる大きな石の左側には、

国境を示す文字や数字が刻まれてます。

チロル側に入ってまた林道になりました。
男性二人のマウンテンバイカーさんに抜かれたのですが、右側の方のリュックには、

ぬいぐるみが(笑)。マウンテンバイカーさんでこういうのは初めて見ました^^

フウロソウ(ウッドクレーンズビル) Wald-Storchschnabel (Geranium sylvaticum) フウロソウ科

そしてアルム小屋のところに到着です。駐車場から直接ここに来れば1時間もかからない距離だと思います^^;

食事休憩、宿泊ができます。 Kranzhornalm(1230m)

右へ折れて山頂へと進みます。ここから20分となってます。


駐車場からこのアルムまでは簡単に来れるのと、子供用の遊具が充実してるので、小さな子供連れのご家族がたくさんいらっしゃいました。

オオバコ科のお花 Herzblättrige Kugelblume (Globularia cordifolia) オオバコ科


山頂までもう少しの場所にも国境石が。


山頂の十字架、見えてきました。

到着です。ここには国境線が走ってて、チロル側とバイエルン側の十字架が2本立てられてます。

過去に2度、山頂に国境が走る山まで歩きましたが、どちらも十字架は1本のみで、国境石があるだけでしたが、こうやって2本立ってるのは珍しい方だと思います。
これが奥の、チロル(オーストリア)の十字架。

これはバイエルン(ドイツ)の十字架。

チロルの十字架の方が雰囲気あっていいですね^^;
西側、クーフシュタイン(Kufstein)やWilder Kaiser方面の眺め。

東側の眺め。川の側に通ってるアウトバーンの上を車で走ってきました。

空模様が怪しいのですぐに下山開始です。山頂の側にあるチャペルだけ見て行くことに。


小さなお子さん連れのご家族がたくさん歩かれてました。



ここのアルムを通過した後に雨が降り出しました。カメラもリュックの中へ。

たいした量の雨も降らず、駐車場に到着しました。
相方と合流して、駐車場の近くのアルムで遅めのランチを食べました。 Hintermoar Alm

まずはやっぱりビールから♪

山小屋での典型的なお料理、クヌーデルのザウアークラウト添えを食べました。クヌーデルはチロルのものらしく、ベーコン入りです。

この日歩いた距離は約16.2km、累積標高差は750mでした。
アツモリソウが咲く場所へ行かず山頂だけを目指すと、標高差は500m以下で距離も7kmほどのお手軽コースとなります。
こんばんは
林道に立ちふさがるモーちゃん、どいてくれないんですか。
2年前のも拝見しましたけど、すごーい、すごーい!大集合!(笑) 楽しすぎる~!
日本の山でも、ラン科のお花が色々咲いてるようですが、バイエルン・チロルでも、いろんな種類のラン科のお花が自生してるんですね。知りませんでした。
今回も素敵なお花がいっぱいでしたが、1番気になったのはやっぱりカラフトアツモリソウ。とっても個性的なお花ですね。
これからも毎年、そこで咲き続けてほしいですね。
名前: pil [Edit] 2016-06-22 04:24
コメントありがとうございます♪
こんにちは!
週末までしっかり降りましたが、今週はいいお天気ですね!
やっと雨も終わりかなあ・・・と期待しています!
2年前のもご覧いただきましてありがとうございます!
あの時は、通りがかったマウンテンバイカーに笑われてしまいました^^;
ラン科のお花、夏の時期になるといろいろと咲いてますよ~^^
茶色のは、以前は”枯れてる、撮影しない”とか思ってたんですが、本で見てちゃんとしたラン科のお花と知ってそれ以来撮影するようにしてます(笑)。
カラフトアツモリソウ(私にはFrauenschuhの名前の方がしっくりきます^^)はドイツ国内、山でなくとも人があまり来ないような森の中とかでも咲いてたりするので、もし今後どこか機会があったら探してみて下さい♪(5~6月に咲くお花です)。
名前: アルペン猫 [Edit] 2016-06-23 00:31
牛がたくさんですね。日本では登山道で牛を見ることなんてたぶんないと思います。
見かけるのは猿かクマさんですかね。日本だと。
日本の北陸の方では、クマさんの被害がたくさん出てるみたいです。
お花も相変わらずカラフルで、日本でもお花がいっぱい咲くようになってきました。山を歩いていても退屈しません^^
名前: やまびこ [Edit] 2016-06-23 20:02
僕もハイク中に聞こえる水の音は大好きです。
ヒース・スポッテッド・オーキッド(ラン科)はこちらでも今の時期に似たような花が咲いてるので注目してしまいました(^^
ユキノシタ科のお花はダイモンジソウに似てますしフウロソウも咲き始めてます。
タイトルの『アツモリソウ』でビックリ!
見たことなくて近いうちに探してみようと思ってたとこでした。
ただこちらでは原則ネット非公開らしく、名前も『あっちゃん』になってたりします。
最後の一枚、一瞬たこ焼きに見えました。青ノリっぽくて(^^)
これからの季節、アルペン猫さん飲み過ぎないように(笑)
名前: としパパ [Edit] 2016-06-23 21:17
コメントありがとうございます♪
こんにちは!
先日の居酒屋与太郎さんの記事で、牧草地を歩いてもちゃんと囲いがあるということを教えていただきました。
こちらは牧草地内に登山道があるのが普通なので、牛がたくさんいる中を歩くことになってしまいます。
猿、クマさんは幸いこっちにはいません^^;
ずいぶん前に他の国からドイツまでやってきたクマはいましたが・・・。
歩いてて退屈しない、分かります!
平地では歩けない距離を山では歩けますよね^^
名前: アルペン猫 [Edit] 2016-06-23 23:11
コメントありがとうございます♪
こんにちは!
水の音、いいBGMになりますよね~^^
ピンク系のラン科のお花、なかなか特定が難しくて時間を要してしまいます^^;
ダイモンジソウ、ググってみましたが、形が本当に”大”なんですね!
かわいいお花~♪
アツモリソウ、ブログにこうやって書いていいか最初は迷ったんですが、こちらでの日本語のブログだし、元々は、どこにこの花が咲いてるかが載ってる本から私もこのコースのことを知ったので感嘆になら書いて大丈夫かなと思って書いてみました。
日本では、とある場所ではこの花の開花時期は24時間体制で監視されてると書かれててびっくりしました!
ネットでは非公開で別の名前で・・・、いいアイデアですね!
こちらでは日本よりは咲いてる数が多いからかこうやってお花関係の本に場所が載ってるくらいなんですが、本の著者も、”この情報を載せるべきか?”との疑問の言葉を書いてたんで、うーん、あれこれもどかしいところです(汗)。
ははは、本当だ、たこ焼きにも見えますね(笑)!
今日からこっちは夏の気温、飲み過ぎ、やばいです・・・(汗)。
名前: アルペン猫 [Edit] 2016-06-23 23:21
牧草地、そちらでは牛さんと人間が共存してるんですね。日本だけかな?何でも仕切りをつけたがるのは。せまーい島国だからかもしれません。
ところで、山頂のオーストリアとの国境、検閲もなく簡単に隣の国へ行けちゃうじゃないですか!あーだから、サウンドオブミュージックでも「全ての山へ登れ」を歌いながらスイスへ行ったのか!!また同じ映画の話ですね(笑)
ところで、アウトバーンは現在制限速度はあるのですか?
名前: 居酒屋与太郎 [Edit] 2016-06-25 13:48
コメントありがとうございます♪
こんにちは!
牛がたくさんいる中を歩くんで、一応、刺激しないようにとの注意書きもたまに見かけます。でもこっちらしく、何か起こっても自己責任ですね~。←牛相手に死亡事故もたまにあるんで・・・。
国境線、EUになってからあってないようなものですが、昔から山はこんな感じだったようです!あの映画で、山から国境超えというのも分かるような気がします(ただし、実際は、オーストリアの山から国境超えしちゃうとドイツに入ってしまうから当事としてはやばいというのは知られた話ですが、笑)。
アウトバーン、基本的には制限速度がない場所が多くて、たまにものすごいスピードで走ってるのがいて怖いです。推奨速度は135kmみたいです。
区間によっては120km制限になってるところもありますよ~。
名前: アルペン猫 [Edit] 2016-06-25 19:07
コメントの投稿